TatsuroYasui

        

ワゴンで飲茶  香港(DAY 3)

2017.08.6

香港3日目(7月16日)

この日も曇天。今にも雨が降り出しそうな不安定な空だった。天気予報によるとどうやら僕らが香港に滞在している間だけ天気が悪く、その後は晴れ間が続く模様。なんとまあツイてないというか、つくづく雨男だなあと思う。

 

午前、ホテルを出ると案の定突然のスコールが降り出した。傘を持っていなかった僕らは慌ててコンビニでビニール傘を調達するも、すでにビショビショ。しかし、僕は雨のシーンを撮りたい思っていたので、その雨の中撮影を試みた。

今回僕が撮りたかったのは香港を舞台にしたショートフィルムで、初めて訪れてた香港の印象を自分が出演し映像に収めようとしていた。なので香港に来るまで特にアイデアは考えておらず、なんとなくのイメージ、雰囲気だけを渡航前にムックと共有して、具体的なシーンは滞在中に考えて撮影しようという計画だった。

というわけで雨のシーンは絶対に必要だと昨夜考えた僕は、その僕らをビショビショにしたスコールが良いタイミングだと判断した。僕は撮りたいカットをその場で考え、それをムックに説明しカメラを彼に渡した。ちなみにムックは映像を撮ったことがなかったが、全体を通してとてもいい感じに撮ってくれたと思う。むしろその初めて触るぎこちなさが、作品の意図とマッチしていたのではないかとポジティブに捉える。

 

雨のカットを幾つか撮ったのち、僕らは朝食のために西営盤(せいえいばん)へと移動した。

 

訪れたのは蓮香居という昔ながらのスタイルで飲茶が楽しめるというレストラン。店内へ入ってみると、たくさんの人で賑わっていた。特に店員さんが案内してくれるわけではなく、空いてる席を自分で見つけて着席し食事をはじめるというスタイルであった。

すると飲茶を乗せたワゴンが通りかかるので、好きなものをそこから自分でピックアップしていく。このワゴンスタイルの飲茶は昔ながらのスタイルらしく、今ではそういった店も数少ないようだ。したがって多くの観光客とローカルの客で溢れていた。

 

よくわからないものを何品かピックアップしていると、ハンナちゃんとその双子の友達、ササちゃんジジちゃんが合流した。彼女たちとは初めましてだったが二人ともとても気さくで、この日僕らをハンナちゃんと共に様々な場所へ案内してくれた。こうやって海外で交流が広がるのはとても楽しい。現地の人と友達になることで、ただ観光するだけでは気付かないその国のことをより深く知ることができる。

 

我々は朝食を済ませ、彼女たちがよく行くというバブルティーが美味しいカフェへと向かった。コースウェイベイという地区の商業施設の中にそのカフェはある。そこには行列ができており、そのタピオカ入りドリンクがブームであるということがよくわかった。また、そのカフェは日本でいう蔦屋書店のような本屋に隣接しており、いわば代官山蔦屋のようにそのバブルティー屋がスターバックス的な役割を果たしている。バブルティーを片手に最新ファッション誌やカルチャー誌を読むというスタイルが流行っているのだろう。

 

その本屋をブラブラしていると、海外誌が多いことに気がついた。海外誌とは韓国や日本の雑誌のことで日本人なら皆知っているようなファッション誌がいくつも陳列されていた。女性誌だけでなく男性誌まで。ある程度需要があるのだろう。様々な国のファッションに興味があるというのはとても面白い。しかも国によって編集の仕方も異なるであろうし、そういった違いを日頃から香港の若者達は感じているのだろう。身近なところから国際的な場所だと気づかされる。

 

美味しいバブルティーを飲み、キンキンに冷えたファションビルを出た我々は彼女たちが好きだという香港のデザートを食べ歩いたり、サードウェーブコーヒー屋で休憩したり暑さを和やらげながら時間を過ごした。

 

日が暮れてからは、昔ながらの下町の雰囲気を楽しむことのできるサムスイポーへ。ここはなかなかディープで、よくわからないケータイやガジェットなどが売られていた。ただ雰囲気はとても渋いので、ショートフィルム用にハンナちゃんの出演シーンをいくつか撮影した。ハンナちゃんは流石女優さんで、僕の曖昧な英語の演出にもかかわらずカメラを向けるとしっかりとお芝居をしてくれて本当にありがたかった。

 

その後、僕のリクエストで夜景を楽しむためにスターフェリーへ。船上から見る香港島の夜景は想像よりも綺麗で、映像を撮っている間にすぐ到着してしまった。

セントラルという地区に到着した後、ハンナちゃんたちのアテンドで広東料理屋へ。レトロな内装をしたそのレストランの料理はどれも美味しく彼女たちとの最後の夜を楽しく過ごすことができた。

 

ハンナちゃんはじめ、ササちゃんジジちゃんもモデルや女優の仕事をしており日々忙しいくしているのにもかかわらず、たっぷりと時間を使って案内してくれたことに本当に感謝したい。彼女たちのガイドによって充実した観光になったことは間違いない。

 

外国の友達を作ることは簡単ではないかもしれない。しかし彼らと接することで知る彼らの知識や考え方は我々に大きな気づきを与えてくれる、それは国際的に生きていくうえで大切なことであり、世の中常識が一つではないということを受け入れるきっかけになる。

とにかく様々な国で友達を作りたい。